過大評価をしてしまう心理

●自己評価を実際以上に高く評価(過大評価)するのは次のような場合です。
  ・反省から学び取る、という機会を棒に振っているのと同じです。キチンと事実を見つめ、原因を考えるようにすべきでしょう。

●私は仕事を精一杯がんばっています、というPRをこの際しておこうと考える。
  ・自分の業績や働きをPRすることは大切だけれど、これからの世の中、自己責任原則と同時に自己PR原則も求められてくる。
  ・目標管理に関する部分は事実をもとにきっちりと評価すべきで、目標管理以外の部分で認めてもらいたい働きがあった場合は、
   別紙を添付するとか、口頭で伝えるとかの工夫が必要。

●人事考課につながることを考えて、考課が有利になるようにと思って評価する。
  ・人事考課と目標管理の連動のしかたは、各社多少の違いがあるから、一概には言えないが、皆さんの自己評価は、人事考課には影響を与えない。
  ・自己評価は、あくまで「反省をして自分自身の見識を高め、次の目標をよりレベルアップする」という目的のために行わせる部分である、
   というのが一般的。
  ・人事考課には良い影響をもたらさない。むしろ「キチンと自己評価をしないいい加減な部下」という見方をされて、
   かえって考課を落とされかねないのだ。

過小評価をしてしまう心理

自己評価を実際以上に低く評価(過小評価)するのは、上司評価とのギャップが生じることを過度に恐れることが原因です。

その背景には「過大評価をしている」と上司から判断されては、かえって人事考課に悪い影響があるという、思惑が入っている場合があります。これもまた、人の目を気にした不適切な評価だといわざる得ません。あくまでも自己評価は、自分自身の成長の為に実施するのですから、評価点を気にしすぎるのは良くないことです。

事実をありのままに判断し、評価はするものです。評価点を付けるという行為に集中するのでなく、どのような達成手段が良かったのか、悪かったのか、その原因は何なのか、という点を考えることこそが大切なのです。原因を考えていく行為が、皆さんの仕事に対する見識を高め、将来のレベルの高い目標へと誘ってくれることでしょう。

自分のためでもあり、組織のためでもある評価

適切な自己評価は、自分自身の成長に役立つだけでなく、職場全体の成長にも貢献していきます。一人一人の成功経験、失敗経験を学びあうということが可能だからです。そのようにお互いが、学びあうためには、どのような自己評価が必要なのでしょう。

それは、なぜ目標達成できたのか、できなかったのか、その背景を充分に分析したうえでの自己評価を行うことです。その背景には、次のようなものがあるだろう。

  ●働きかけた対象(例えば営業職なら顧客、事務職ならファイル文書、PCなど)の動
  ●働きかけ方(販売促進策、ファイリングの基準など)の適否

それらの目標達成の原因、背景を学ぶことこそが、組織全体としての見識を高めていきます。

文責:田辺和彦

GDLのその他の検査・診断シリーズはこちらへ