人を理解するには、自分を理解していなければ不可能である。自分を理解してこそ人も理解できるのである。つまり、自分がわかっている人でないと、人はわからないということである。

自分は、24時間、1日中、自分と付き合っている。その自分が理解できないで、ほんのわずかな時間でしか付き合っていない他人をどうやって理解が出来るのであろうかということである。

世の中には「自分を取るか人を取るか」で悩んでいる人がいかに多いかを、何百人の人に対してコーチングを実践しているとよくわかる。ある人の前に出ると、自分の意見や考えを言うことなしに、つまり自分の意見や考えを殺して、相手の意見や考え方にあわせようと努力し、それで悩んで苦しんでいる人がいかに多いことかである。

「自分はあの上司とどうしてもあわない。あの上司の言っていることはまちがっている。納得がいかない。」などと居酒屋に行って、同僚と愚痴や悪口を言いあっている人がいかに多いかである。それで、その自分はどういった意見や考え方を持っているかを、その上司に言わないで悩んでいるのである。つまり上司の意見に合わせられない自分を責めているということもいえるのある。人を変えることなど相当時間のかかることであり、ほとんど無理であるとことは、誰でも経験からわかっていることである。そんなこと、人間にはできないのである。それなのに「上司は変わるべきである」ような愚痴をいい、その裏で自分の意見や考えを殺して、上司の意見や考え方に置き換えられない自分を責めているわけである。とうてい無理なことであり、苦しむのが当たり前なのである。酒でも飲んでストレスを発散したくなるのが当たり前である。

それよりも、自分を理解し知ることにエネルギーを注ぎたいものである。

著:佐藤創紀 →360サポーターズ

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