全体をよく観察できる場所に立つ

リーダーの立ち位置は特に重要です。
全体が見える位置にいるからこそ、方向づけも可能となります。
これは、物理的な位置をいっているわけではありません。つまり情報環境を整えるということです。
チーム活動に必要な情報がきちんと流れてくる場所に自分が位置しているか、チェックしてみましょう。
そうしてはじめて、チームの活動は有効かどうか、あるいはこれからどちらへ方向づけていったらよいかがわかってきます。

また、この位置は固定でなく状況によって変わります。
「欲しい情報がとれる位置に進出する」これがリーダーの立ち位置を知るということの本当の意味なのです。
チームの中でうまくいってない状況があれば、現場へ進出して自分の目で見て確かめる。
そのうえで全体への影響を判断します。
チームの外の環境であっても、周囲を見渡して活動に影響をおよぼすことがあれば、
そのことがわかる位置に出ていって情報を入手する、あるいは自分から投げて反応をみる。 
この一連の行動が、いわば調整や統制というリーダーの役割行動なのです。
リーダーの行動原理も情報の側面からスポットを当ててみると、その意味がわかってきます。

現状の把握だけにとどまらず、少し先の見通しをつけていくこともリーダーには求められます。
そういう点においては、自らが計画したチーム活動の全体の進捗をゴール地点からさかのぼってみていくことが有効です。
これもまた、全体が見える立ち位置の確保になります。

こうしてリーダーはある種の勝算というものを獲得していきます。
あまり遠すぎない未来に対して確かな見通しがもてるかどうか、このことが、メンバーへのはたらきかけ、
つまりリーダーシップの発揮に大きく影響していきます。
「この人のもとでならやれる」「彼には何かがいつも見えている」そうした信頼感も単に人間的な魅力だけにとどまらず、
リーダーが何を見通しているかということによって得られてくるものです。

著:行時博孝 →360サポーターズ

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