企業は永遠に継続していくことを前提にしている。
その永遠のなかの節目において、そのときの経営者による、いままでの企業の歴史を踏まえたビジョンを掲げ、成長していくわけである。簡単に考えれば、そのビジョンに向かって、社員全員が一丸となってまい進していけばいいわけである。
ベンチャー企業のような小企業では、まだ社員の数が少ないので、その一丸性が発揮しまとまりやすい。しかし、企業が大きくなり社員も大きくなるとなかなかそのビジョンに向けた動きが全社的にしにくくなっていく。そのために、そのビジョンを達成するために、さらに小さく役割分担し、ビジョンにむけた目標をそれぞれのチームで細分化していくわけである。リーダーにとって、その作業は重要な仕事である。
そうしたことも、おおきなイニシアティブの発揮がなければ難しいことである。なにしろ、リーダー1人の世界から、メンバー全員を巻き込んだ世界に落とし込んでいかなければならないのだから…。それをより多くのメンバーを巻き込むことができる人、それがイニシアティブをより多く発揮できる人ということになるのではないか。
その作業で特に重要なことは、つねに会社としてのビジョンに立ち返ることができることである。人は、作業し1つのことに夢中になっていくと、どうしても全体の目標を忘れがちになるものである。この、人としての盲点をカバーできる力が、リーダーには不可欠な資質である。
著:佐藤創紀 →360サポーターズ