「フィードバックシーキング(Feedback seeking)」とは、他者へ自分に対するフィードバックを積極的に求めることをいいます。フィードバックは自己成長に欠かせないもの。自分の強みは何か、何を大切にしているのか、思考の癖はあるかなどを他者の視点から知ると、セルフアウェアネス(自己認識能力)を高め、行動を改善することができます。
上司やリーダーこそフィードバックシーキングを
フィードバックは一般的に上層から下層へとなされるものですが、昨今は部下から上司へのフィードバックも重視されています。360度フィードバックやアシミレーション(上司と部下の相互理解を深め、関係構築を促進する仕組み)など、マネジャーへの評価の仕組みを取り入れる企業も増えており、職場の相互理解の場として期待されています。
「ジョハリの窓」をご存じでしょうか。自己分析に用いられるフレームワークで、自己と他者という軸によって四つの窓に分けられます。自分も他者も知っている自己(開放の窓)、自分は知っていて他者は知らない自己(秘密の窓)、他者は知っているが自分は知らない自己(盲点の窓)、他者も自分も知らない自己(未知の窓)の四つです。フィードバックを受けることで「盲点の窓」を「開放の窓」へと移し、自己認識をアップデートすることができます。
しかし、待っているだけではフィードバックは受けられません。特に、部下から上司に対する率直な声は、特別な機会がないと引き出すことが難しいもの。フィードバックを求めるときは、事前に依頼した上でミーティングなどの機会を設けることが重要です。その際、フィードバックが欲しい理由や改善したい要素などを伝えると、相手の思考を助けます。
年齢や職位が上がるにつれ、改善点があってもなかなか指摘されなくなります。自分から改善点を聞きにいく、フィードバックシーキングの姿勢を持ち続けることが大切です。
【日本の人事部 掲載記事より】